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Channel: 従業員間の連絡 - LINE WORKS
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急性期・回復期・在宅サービスの各部門をLINE WORKSで情報連携。チーム医療が強化され、質の高い医療・福祉サービスの提供につながっています。

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福岡市にある社会医療法人財団白十字会 白十字病院が、DX推進の一環としてLINE WORKSを導入。脳卒中センターの医療チームでは、急患受け入れ時のスピーディな情報共有を実現しました。院内だけでなく、同法人内の白十字リハビリテーション病院や在宅サービス部門にも利用を拡大させ、職種や部門、拠点を超えた円滑な連携により、高品質な医療・福祉サービスの提供に加え、連絡業務の負担軽減と時間外労働の削減につながっています。

 

本事例のポイント
  • 医療チームの情報共有が円滑になり急患の対応がスピーディに
  • 急性期病院・回復期病院・在宅サービスが部門の枠を超えて情報連携
  • 連絡業務の効率化による時間外労働の短縮が働き方改革の推進に寄与

白十字病院の概要をご紹介ください。

渕野さん:

地域医療支援病院の認可を受けている当院は、福岡市西部~糸島エリアにおける「高度専門医療」「救急医療」「在宅療養後方支援」「健康なまちづくり」の役割を担っています。以前はケアミックス型の病院でしたが、開設40年目の2021年4月に、急性期に特化した白十字病院と、回復期に特化した白十字リハビリテーション病院に分院。同じ母体の社会医療法人財団白十字会が運営する居宅介護支援事業所や住宅型有料老人ホーム、訪問看護ステーションをはじめとする在宅サービス事業と密接に連携しながら、地域の皆さまに幅広い医療・福祉サービスをご提供しています。

 

以前はどのような課題を抱えていましたか。

渕野さん:

白十字病院が分院した際に元の場所とは別の敷地に新築移転したため、以前は対面でできていたリハビリ関係のスタッフとの連絡が、すべて電話かメールで行わなければならなくなりました。また、分院した時期はコロナ禍で、同じ院内のスタッフどうしでも対面を控えていたことから、ICTツールによってコミュニケーションを促進することが必要不可欠だと考えました。

 

田中さん:

職員間の連絡は、電話と電子カルテのグループメール、WEBメールの3つ連絡手段がありましたが、電話は相手の都合に左右されるためタイムリーな情報共有が難しく、電子カルテのメールはPCがあるところでしか確認できないなど、どの連絡手段も院内のスムーズな情報共有に課題がありました。また、忙しい医師へ電話をかける際、看護師や事務職員は「今連絡をしても大丈夫だろうか?」と診療の妨げにならないタイミングかどうか常に気を遣っていました。

 

阪元さん:

医師は診察以外にも会議の予定も多く、電話でのやりとりでは看護師や職員からの連絡や報告をタイムリーに受けとることが難しく、重要な用件への対応が遅れてしまうこともありました。

 

中島さん:

白十字リハビリテーション病院の看護部 次長である私は、白十字病院からの患者さんの転院の受け入れ調整も担当しています。移転前は対面で行っていましたが、病院間の連絡は基本的に電話で、私も白十字病院の担当者もお互いに多忙なために出られないことが多く、スムーズにコミュニケーションを取れないのが悩みの種でした。また、患者さんのリハビリの支援においても多職種と協力し合うことは必要不可欠ですが、患者さんに関する伝達事項をメンバー一人ひとりに同じ内容の電話をかけなければならず、時間と手間がかかっていました。

 

課題解決に向けてLINE WORKSを運用されるようになった経緯をお聞かせください。

福田さん:

臨床現場における病院DX改革として、2022年に白十字病院で医師、看護師、システム開発室、事務部門をメンバーとするDXセンターを立ち上げました。白十字病院にはスマホがすでに採用されていたため、職員間の効率的なコミュニケーションツールとして、操作性がLINE と共通し職員が使いやすいLINE WORKS を導入しました。 臨床現場での有効性を検証するため、まず白十字病院脳卒中センターをモデル病棟として試用を開始しました。

 

 

急性期脳卒中は、医師や看護師、救急センター、放射線部、手術室、ICUなどさまざまな専門職が緊密に連携して迅速に対応しなければなりません。以前は搬送されてくる 急患の情報が医師から各専門職へと電話で伝えられるため時間がかかり非効率的でしたが、LINE WORKS導入後は担当医師が救急隊から得た患者さんの情報を医療チームのグループトークに発信して、一斉に周知できるようになりました。来院後の情報も逐次 LINE WORKS で共有され、医療チームの誰もが、対象の患者さんに関する最新の情報を常に把握できている状態になり、意志を統一して迅速に治療を開始できるようになりました。

脳卒中センターでのやりとり。搬送されてくる急患の情報を関係者に一斉に周知

 

田中さん:

LINE WORKSの導入効果が証明されたことを受けて本格的に運用することが決まり、白十字病院内の多数の部署に利用を拡大。その後、白十字リハビリテーション病院や在宅サービス部門でも活用することになり、急性期・回復期・在宅サービスの各担当者が速やかに情報を共有しながら医療・福祉サービスを包括的に提供できる体制が整いました。

医師とのやりとりもトークでお互いの都合の良いタイミングでやりとりできるように

 

さまざまなグループによって、急性期・回復期・在宅で横断したやりとりがスムーズに

LINE WORKSの活用に際して特別な運用ルールや機能制限を設けられましたか。

田中さん:

患者さんの情報を保護する必要がありますので、病院が配付したスマホやタブレットでしかLINE WORKSにアクセスできないようにしています。接続できるIPアドレスの制限を設定し、BYODは認めていません。また、管理側が端末を一元管理できるようMDM(モバイルデバイス管理)を導入しました。院内でのみ使える環境なので、外部トーク連携を除いて機能制限はせずに自由な利用を促進しています。

白十字リハビリテーション病院におけるLINE WORKSの活用シーンをご紹介ください。

・急性期病院からの転院調整を電話からLINE WORKSに置き換えて効率化
・在宅サービス部門との情報共有がスムーズに

 

中島さん:

白十字病院から白十字リハビリテーション病院への受け入れが決定した患者さんの転院調整が電話からLINE WORKSに置き換わり、転院調整が格段にスムーズになりました。用意した定型文に患者さんの転院希望日時などを入れて送信し、テンポよくコミュニケーションをとるためにコメントにリアクション機能だけをつけてもらうようなルールにしています。

定型文によるコミュニケーションで転院調整が格段に効率化した

 

多職種で構成される病棟内のグループも多数あり、例えば「ご家族の都合で患者さんの今日の転院時間が少し遅くなる」といった連絡を白十字病院から受けると、その情報を共有すべきグループのスタッフ全員に一斉に伝達。忙しいときでもちょっとした隙間にメッセージを確認して素早く対応できるのはチャットならではのメリットです。また、やりとりがテキストとして残るので、「言った/言わない」のトラブルも起きなくなりました。

 

そのほかにも、セラピストが患者の移乗動作など動画撮影を行い、病棟のグループトークにのせて情報共有を行っています。LINE WORKSのグループに掲載することで、いつでも・どこでも移乗動作の確認ができるようになりました。

 

吉田さん:

地域包括ケア病棟のリハ責任者として病棟にいる患者さん全員のリハビリスケジュールを毎日立てる必要があります。リハビリスタッフや看護師でその日行われるカンファレンスや会議をカレンダー機能で共有できているおかげで、効率よくリハビリスケジュールの作成が行えています。

 

入院中の患者さんの動きや介助方法についても画像や動画を用いて病棟スタッフと共有することで患者さんへの対応を統一することができています。

口頭やテキストでは伝えにくい動作などは動画で共有することで、患者さんごとの対応品質の向上につながっている

在宅サービス部門ではLINE WORKSをどのように活用していますか。

・訪問看護やリハビリスタッフ、ケアマネージャーなどが事務所外での連絡ツールとして活用。

 

田中さん:

訪問看護ステーションでは、グループトークで事務所外にいることの多いスタッフへもスムーズに情報共有することができるようになりました。患者さんのご家族から緊急の連絡があった際も、トークで一斉に伝達し、患者さんの自宅付近にいるスタッフや手の空いているスタッフが素早く対応しています。訪問リハビリのスタッフも、訪問中に患者さんの容態に異変があった際も、バイタルデータを看護師に送って適切な処置の指示をもらうことができています。

 

ケアプランセンターでは、ケアマネージャー全員でグループを作成し情報を共有しています。ソーシャルワーカーからの新たな患者さんの利用依頼もLINE WORKSで伝えられ、担当できるかどうかを速やかに返答できるようになっています。

事業所外にいるスタッフどうしの患者さんに関する相談や伝達もスムーズに

病院長や情報システム部門として、LINE WORKSの導入成果をどうご覧になっていますか。

渕野さん:

以前のように情報の共有に時間と手間をかけることなく、伝えたいことを伝えたい相手に、瞬時に、そして漏れなく伝えられるようになりました。メールは相手がいつ見たか分かりませんが、トークには既読機能があります。返信がなくても既読がつけば安心できることで、職員の気持ちにもゆとりが芽生えているように感じます。

 

阪元さん:

コミュニケーションが効率化したことで、業務生産性が向上していることを感じます。導入前と比べると時間外の仕事が確実に減っており、働き方改革にも貢献してくれています。

 

田中さん:

システム開発室が利用者にアンケート調査をしたところ

 

  • 医師とのコミュニケーションがしやすくなった: 94%
  • 電話と比べてコミュニケーションが増えた: 85%
  • 今後もビジネスチャットツールを使いたい: 97%

という結果となり、大半のユーザーがLINE WORKSに大きな利用価値を感じていることがうかがえます。

LINE WORKSの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか。

阪元さん:

2つの病院と在宅サービス部門の連携をさらに強め、各職場のスタッフが患者さんやご家族から吸い上げた情報や要望をしっかり共有して対応することで、医療や福祉サービスの質をいっそう高めていきたいです。

 

渕野さん:

将来的に地域の医療機関とも広くつながって情報を共有できるようになれば患者さんの受け入れなどがよりスムーズになり、地域包括ケアの推進にも寄与してくれるのではないかと思います。

 

田中さん:

職種によっては患者さんのご家族と連携することも重要なので、外部のLINE WORKSやLINEとつながれる外部トーク連携機能の活用を検討しています。

病棟のスタッフが身軽に動けるようにするには、携行するデバイスをできるだけ減らすことが重要です。さまざまなシステムとLINE WORKSを連携させ、スマホ1台あれば業務が完結するような仕組みづくりも進めるつもりです。

また、システム開発室にはPCやICT機器に関する問い合わせが多数寄せられるので、Botによる自動回答の仕組みなども構築できればと考えています。

 

 

【お話を伺った方】

渕野 泰秀さん

白十字病院 病院長。日本外科学会認定登録医・指導医。日本消化器外科学会認定登録医・指導医消化器がん外科治療認定医。

 

阪元 政三郎さん

白十字リハビリテーション病院 病院長。日本脳神経外科学会専門医。日本脳卒中学会専門医日本リハビリテーション医学会臨床研修指導医。

 

福田 健治さん

白十字病院脳神経外科部長。白十字病院DXセンター長。日本脳神経外科学会専門医・日本脳神経血管内治療学会指導医・日本脳卒中学会専門医。

 

中島 公子さん

白十字リハビリテーション病院 看護部次長。回復期病棟の課長も兼務。

 

吉田 拓哉さん

白十字リハビリテーション病院 地域包括ケア病棟で理学療法士としてリハビリテーション業務に携わる。

 

田中 咲妃さん

医療情報本部 システム開発室で法人内のシステムやICTツールの導入支援・運用を管理する。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2024年8月当時のものです。


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